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膝の疾患と構造 [膝関節痛]

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膝関節の疾患にはたくさんの名前が付けられています。今回は腫瘍などを除いた運動器疾患に対して話を限らせていただきます。


膝の疾患は以下のようにたくさんあります。

・離断性骨軟骨炎
・オスグット・シュラッター病※1
・シンディングラーセン・ヨハンソン病※2
・ジャンパー膝(※1,2は大きな枠で考えるとジャンパー膝の仲間です)
・ランナー膝
・有痛性分裂膝蓋骨
・半月板損傷
・内側側副靭帯損傷(MCL損傷)
・前十字靭帯損傷(ACL損傷)
・後十字靭帯損傷(PCL損傷)
・後外側支持機構損傷
・膝蓋軟骨軟化症
・滑膜ひだ障害(タナ障害)
・膝蓋骨脱臼、亜脱臼
・変形性膝関節症
・偽痛風
・突発性骨壊死
・膝窩嚢胞(ベイカー嚢胞)
・鵞足滑液包炎
・膝蓋上嚢炎
・膝蓋前滑液包炎
・膝蓋滑液包炎

参考文献:標準整形外科学第10版


たくさんあって分かりにくいのでまとめていきましょう。

まずは膝関節の解剖です。

hizakansetsu.jpg
これは筋肉を除いた膝の構造です。膝は股関節と足関節の間の関節であり、人体最大の荷重関節であります。そのため膝にかかる負担は大きく、筋肉で補うことのできなストレスは、半月板や軟骨、靭帯で支えることになります。このストレスは小さなストレスでありますが、積み重なることで、靭帯損傷のような状態になったり、半月板や軟骨を摩耗してしまうのです。


images (6).jpg
これは膝全体の図になります。筋肉で全体的に保護されていますが、見事に前後左右から靭帯や腱で保護されているのが分かります。


images (5).jpg
これは膝を内側から見た図です。横から三本筋肉が重なり合って収着するところを鵞足(鷲の爪のように見えることからこの名前が付きました)といいます。膝がグラグラしないように支える非常に大切な筋肉です。





大きく分けて膝の構造は骨、筋肉、軟骨、半月板、靭帯でおおよそ構成されていると思ってください。血管などほかの臓器もたくさんあるのですが、運動器に特化して述べていきたいと思います。


関節の構造としては、膝は基本的には曲げ伸ばししかできない構造になっています。しかし大腿脛骨角といって太ももの骨とすねの骨のなす角度は175°であるために、脛に対してまっすぐに体重を乗せていくと、自然に膝は捻じれる構造になっています。これをスクリューホームムーブメントといいますが、こんな名前は覚えなくても大丈夫です。膝の動きというのは曲げ伸ばしに少しのねじれが生じることだけ知っていただければと思います。ただ、法則があって膝が伸びるときには、つま先が外を向くようにすねが捻じれ、膝が曲がるときはつま先が内へ向くようにすねが捻じれていきます。これが逆になってしまうと膝の内部に非常に大きなストレスになったりします。場合によっては靭帯が切れるほどの衝撃にもなります。


images (7).jpg
次に関節の保護機能について述べていきます。太ももの骨とすねの骨の間にはX線上では隙間が空いています。ここには軟骨や半月板があり、骨同士が強くぶつからないようにクッションの役割をしています。半月板損傷などになると、クッションの機能がなくなるのでさらにストレスが強くなり、炎症を起こし膝が腫れて水がたまったりするのです。また軟骨は骨の末端についているものですが、半月板は少しの可動性があります。先ほどのように、曲げ伸ばしの際に生じる捻じれを半月板は動いてくれて、膝のねじれに対しても緩衝作用が働くようになっています。

また細かいことを言いますと、内側の半月板は内側側副靭帯と付着しているので、同時に怪我しやすい部位でもあります。


hizakansetsu.jpg

次は靭帯の構造です。前十字靭帯はすねの骨が前方へと内へ捻るような運動の際に制御します。後十字靭帯はすねの骨が後方へと外へ捻じれるときに、その運動を止めようとします。内側側副靭帯は膝が内へ入る、または外側へすねが捻られるのを防ぎます。外側側副靭帯はその逆です。靭帯は関節を前後、左右から、しかも捻じれる動作に対しても制御しようとしています。靭帯の特徴は筋肉とは違い伸び縮みしないという点です。O脚になってしまって靭帯が伸びてしまった状態は自然にはとても治りにくいのです。


その他には筋肉はたくさん名前がありますが、機能のユニットとして考えていただければと思います。膝の前側は膝を伸ばす筋肉、後ろにあるのは膝を曲げる筋肉、膝の内側にある筋肉はすねを内側へ捻る筋肉、膝の外側はすねを外側に捻る筋肉と覚えていただければ、細かい筋肉は覚える必要がありません。


また筋肉は伸び縮みしますので関節付近では大きな摩擦が生じやすいです。その摩擦を軽減するために滑液包という潤滑油のようなものがあります。


ここまで大雑把に膝の構造について述べましたが、上記の疾患名を知っていても、どこが、どうなって痛いのかということが分かりかねます。なので、大きく分けて、筋肉が痛いのか、靭帯が痛いのか、関節内部が痛いのか(関節軟骨には痛覚がないので、関節軟骨が痛みを感じるということはありません。ただ関節軟骨がすり減ることで炎症が起こります)、また滑液包が炎症を起こしているのかに大雑把に分けられます。



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ひそかに剣道で全日本を目指そうとしている理学療法士

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