こわい膝の話 [膝関節痛]
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前回は膝関節の痛みの調べ方についてお話ししました。
本日は膝の痛みを放置するとどうなるのかお話ししていきたいと思います。結構衝撃的だと思います。
若い人でも膝の痛みを訴える人が多いことを言いました。特に女性に多いのですが、このような論文がありました。
健常成人と重度の変形性膝関節症の人と軽度の変形性膝関節症の人の膝の形をくまなく調べた論文があります。
この論文の趣旨は変形性膝関節症はどの部位から障害されていくのか、どの部位から機能障害が起きてくるのかを調べるためです。
その結果・・・・・・
重度の変形性膝関節症の患者では筋力も骨の形態も関節の位置関係もほとんど正常とは違っていて、どこから膝の状態が悪くなったのかはわかりません。しかし、健常成人と軽度の患者で変化があったのが、大腿骨(ふとももの骨)の形状だそうです。それは健常成人よりも太ももの骨が捻じれていることが分かったのです。
太ももの捻じれというのは、前捻角(ぜんねんかく)といって太ももの骨の付け根が膝のところまで、どのくらい捻じれているのかを表します。正常では太ももは10~15°捻じれているといわれています。
ここからが大事です。
女性は男性と違って骨盤の形状が違います。それは子供を産むためです。なので少し男性よりも骨盤は横に広がっています。その関係で骨盤と太ももの骨の位置関係が男性と少し違ってきます。
簡単に言えば、股関節が広がりやすいような構造になっているのです。なので男性よりも女性のほうが柔軟性がある人が多いのですが、これが仇となって、女性はよく”女の子座り”をしますよね?割り座とも言ったりします。
あれは非常に強い力で太ももの骨を内側へ捻じっているのです。若くて膝の痛みがある人はほとんど割り座をしていたり、横座りして外に投げ出している足側の膝を痛めやすいのです。通常約10°の捻じれがあるのですが、それがかなり強くなり20、30°以上ある人も私は見てきました。
もともと膝の構造は曲げ伸ばししかできません。なのに捻じれるストレスが通常の人の2倍も捻じれていたら、さすがに膝にもガタがくることは容易に想像することができます。ハサミを正しく使えばずっと使うことができると思います。しかし刃の向きが合わないようにハサミを扱えばすぐにネジが緩み、使い物にならなくなってしまいます。
膝も基本的には横方向や捻じれるストレスには弱いのです。
話が長くなりましたが、膝の痛みが強くなり腫れたりして、それを放置するとどうなるかというと・・・・・
膝が腫れると炎症物質がたくさん出されます。これは傷ついた組織を治そうとする正常な反応なのですが、マイナスの影響もあります。
それは筋肉を萎縮させたり(筋力低下を起こす)、靭帯が弱くなったり、筋肉が線維化し(収縮能が弱くなります)、周囲の組織をくっつかせたりするのです。筋肉のボリュームも少なくなるので、ますます膝は筋肉で支えられなくなり、膝をロックしてなるべく、骨同士垂直に乗せるように歩くことで、支えています。つまり軟骨や骨へのストレスが強くなってしまうのです。
これを何もせずにいると膝のぐらぐらな状態はずっと続き、それこそO脚やX脚がひどくなっていくのです。
このような状態になってしまうと、ほとんど軟骨はなくなり、半月板もないような状態です。つまり骨同士がぐりぐりぶつかっているような状態です。靭帯は炎症を繰り返しているときになくなっていきます。
もう支えているのは骨だけなんですね。
最初は立ち上がりや歩きはじめが痛かったのが、歩いて足をつく度に痛みが生じてきます。
さらに放置すると、立ち上がりの時に膝がバキバキと鳴って立てない人もいらっしゃいます。外に行きたくても膝が痛くて行けなくなるのです。
恐ろしいですね。でも現実に変形性膝関節症はとても多い疾患ですし、痛みに悩んでいる人がとても多いです。痛みは我慢せずに整形外科にいきましょう。
しかし、膝の水を抜いたり、注射するだけではよくなっていきません。
先ほども言いましたが、筋力がかなり落ちているので、それを治さなければ、いくら一時的に痛みが和らいでも、また再燃します。
特に日本人は我慢しやすい傾向にありますので、変形が強くなる前にしっかり筋力を取り戻してイキイキとした生活を取り戻す必要があると私は考えています。
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前回は膝関節の痛みの調べ方についてお話ししました。
本日は膝の痛みを放置するとどうなるのかお話ししていきたいと思います。結構衝撃的だと思います。
若い人でも膝の痛みを訴える人が多いことを言いました。特に女性に多いのですが、このような論文がありました。
健常成人と重度の変形性膝関節症の人と軽度の変形性膝関節症の人の膝の形をくまなく調べた論文があります。
この論文の趣旨は変形性膝関節症はどの部位から障害されていくのか、どの部位から機能障害が起きてくるのかを調べるためです。
その結果・・・・・・
重度の変形性膝関節症の患者では筋力も骨の形態も関節の位置関係もほとんど正常とは違っていて、どこから膝の状態が悪くなったのかはわかりません。しかし、健常成人と軽度の患者で変化があったのが、大腿骨(ふとももの骨)の形状だそうです。それは健常成人よりも太ももの骨が捻じれていることが分かったのです。
太ももの捻じれというのは、前捻角(ぜんねんかく)といって太ももの骨の付け根が膝のところまで、どのくらい捻じれているのかを表します。正常では太ももは10~15°捻じれているといわれています。
ここからが大事です。
女性は男性と違って骨盤の形状が違います。それは子供を産むためです。なので少し男性よりも骨盤は横に広がっています。その関係で骨盤と太ももの骨の位置関係が男性と少し違ってきます。
簡単に言えば、股関節が広がりやすいような構造になっているのです。なので男性よりも女性のほうが柔軟性がある人が多いのですが、これが仇となって、女性はよく”女の子座り”をしますよね?割り座とも言ったりします。
あれは非常に強い力で太ももの骨を内側へ捻じっているのです。若くて膝の痛みがある人はほとんど割り座をしていたり、横座りして外に投げ出している足側の膝を痛めやすいのです。通常約10°の捻じれがあるのですが、それがかなり強くなり20、30°以上ある人も私は見てきました。
もともと膝の構造は曲げ伸ばししかできません。なのに捻じれるストレスが通常の人の2倍も捻じれていたら、さすがに膝にもガタがくることは容易に想像することができます。ハサミを正しく使えばずっと使うことができると思います。しかし刃の向きが合わないようにハサミを扱えばすぐにネジが緩み、使い物にならなくなってしまいます。
膝も基本的には横方向や捻じれるストレスには弱いのです。
話が長くなりましたが、膝の痛みが強くなり腫れたりして、それを放置するとどうなるかというと・・・・・
膝が腫れると炎症物質がたくさん出されます。これは傷ついた組織を治そうとする正常な反応なのですが、マイナスの影響もあります。
それは筋肉を萎縮させたり(筋力低下を起こす)、靭帯が弱くなったり、筋肉が線維化し(収縮能が弱くなります)、周囲の組織をくっつかせたりするのです。筋肉のボリュームも少なくなるので、ますます膝は筋肉で支えられなくなり、膝をロックしてなるべく、骨同士垂直に乗せるように歩くことで、支えています。つまり軟骨や骨へのストレスが強くなってしまうのです。
これを何もせずにいると膝のぐらぐらな状態はずっと続き、それこそO脚やX脚がひどくなっていくのです。
このような状態になってしまうと、ほとんど軟骨はなくなり、半月板もないような状態です。つまり骨同士がぐりぐりぶつかっているような状態です。靭帯は炎症を繰り返しているときになくなっていきます。
もう支えているのは骨だけなんですね。
最初は立ち上がりや歩きはじめが痛かったのが、歩いて足をつく度に痛みが生じてきます。
さらに放置すると、立ち上がりの時に膝がバキバキと鳴って立てない人もいらっしゃいます。外に行きたくても膝が痛くて行けなくなるのです。
恐ろしいですね。でも現実に変形性膝関節症はとても多い疾患ですし、痛みに悩んでいる人がとても多いです。痛みは我慢せずに整形外科にいきましょう。
しかし、膝の水を抜いたり、注射するだけではよくなっていきません。
先ほども言いましたが、筋力がかなり落ちているので、それを治さなければ、いくら一時的に痛みが和らいでも、また再燃します。
特に日本人は我慢しやすい傾向にありますので、変形が強くなる前にしっかり筋力を取り戻してイキイキとした生活を取り戻す必要があると私は考えています。
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