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痛みについて詳しい解説 続き [腰痛]

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痛みについての分類など前回説明しました。

しかし専門職の人には重要かもしれないですが、一般の方には有益ではないかもしれません。ここからは日常で現れる痛みに関して記していきたいと思います。

日常生活において、特に運動器(骨、関節、筋)の痛みは誰でも経験したことがあると思います。転んだ時、叩かれた時、久しぶりに走った時、階段を上った時…。これらの痛みの程度はかゆいと感じる程度から日常生活に支障をきたす程度の痛みもあります。これから日常生活に関係する痛みのメカニズムについて説明していきます。


皮膚や骨、関節、筋肉が損傷すると侵害受容器(脳へ痛みの情報を送る受け口)が脳へ情報を伝達します。脳へ情報を送るには背骨を通る脊髄を通らなければなりません。※顔面の痛みや感覚は脳幹というところを通ります。脊髄を通ると脳へ情報を送る経路と脊髄から情報が逆流する経路があります。それは脊髄反射と呼ばれるものですが、逆流した情報は筋肉へ送られ、筋肉が縮むように情報が送られます。これは痛みから逃れるために必要な反射なのですが、痛みの情報が持続的に入ってきたらどのような弊害が起こるでしょう?


難しく想像のしにくい説明になっていきますが、筋肉の構造は毛細血管(筋組織に栄養を送るための細い血管)だらけで、痛みが持続的に続くと、持続的に筋肉が縮まるようになります。筋肉がずっと縮むと栄養の入り口が小さくなるため、毛細血管から酸素や栄養が行きわたりにくくなります。さらに痛みは交感神経(戦う時に働く神経で自分の意志ではコントロールできないので自律神経と分類される)が働きやすくなるため、血管を縮めようとします。筋肉への栄養は痛みによって入り口も小さくなるし、血管からの出口も小さくなり酸欠状態になるのです。酸欠状態になると発痛物質が出たり、乳酸がたまるのでさらに痛みは増幅していくのです。
⇒ さらに詳しい説明を聞きたい人だけ
筋肉が酸欠状態になるとエネルギー源のATPを産生するためには、解糖系(酸素をもちいずにエネルギーを産生する)に依存するために、乳酸が発生してくる。乳酸は酸性物質なので局所的に酸性(体の状態が酸性に近づくことをアシドーシスという)になるため、発痛物質であるブラジキニンが産生され、疼痛が起こる。ブラジキニンは痛みのない人に注射すると誰でも痛みを感じるようになる物質です。さらにブラジキニンはPGE2産生を促進し、侵害受容器の興奮性が高まりやすくなる。(痛みに敏感になる)


簡単に言うと骨折したとき痛みが強すぎて、骨折による痛みが現れますが、(厳密にいえば骨には侵害受容器は骨膜にしかないので、骨膜の損傷により痛みを発します。だから弁慶の泣き所は痛いのです。)それ以外にも筋肉が固くなって酸欠状態になっているため痛みが出ている場合もあります。骨折は直っているのに、痛みは直らない場合は筋肉の力を抜くことが出来ず、痛みが持続することが多いのです。また筋肉が一か所固くなるだけで、身体全体の使い方が変わるので、二次的に痛みが出る場合もあります。※厳密にいえば骨折による痛みは一次的、脊髄反射による痛みは二次的、全身の使い方の変化による痛みは三次的な痛みとなります。



だから医者、理学療法士、作業療法士、柔道整復師、鍼灸師など医療職の人は痛みが出ている原因を調べ、それに対して治療していくのです。骨折の治療は基本的には自然治癒なので、まっすぐになるように位置を修正したり(整形外科医や柔道整復師)、超音波を用いて治癒を早めるようにしますが、基本的には自然治癒です。


長くなってしまったので、ここで休憩しましょう。


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ひそかに剣道で全日本を目指そうとしている理学療法士

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